青森の磐座


岩木山・大石神社いわきさん・おおいしじんじゃ
青森県弘前市大森勝山


■あの世とこの世を塞ふさぐ巨石

 津軽信仰の中心は、津軽の象徴である岩木山だ。 山容から津軽富士とよばれ、親しく「お岩木さ ま」「お山」と尊ばれ、篤い信仰の対象となって きた。母なる存在のためか、「女子山(おなごのやま)」 ともよばれている。標高1625メートル、 山頂が三つの峰に分かれ、中央火口丘を岩木山、南肩を 鳥海山、北肩を巌鬼山(がんきさん)とよんでいる。
 大石神社は、巌鬼山の北東山麓に位置している。 主要な登山道は五つあるが、岩木山信仰が始まっ て以来のもっとも古い道、「赤倉登山道」の登山 口にあたるところだ。巌鬼山は赤倉山ともよばれ、 石仏を辿る信仰の道で、宗教色が色濃く残る道と して知られる。
 青森県を含む北東北は、平安末期まで、ヤマト 王権の統治が及ばなかった。エミシ(蝦夷)と蔑 称された人たちが、それぞれに分かれて自立し、 固有の暮らしを営んでいた大地だ。
(『磐座百選』より一部抜粋)




元に戻る

copyright©2017:未来へのメッセージ舎;all rights reserved.